つるちゃんからの手紙6月号(令和2年6月号)
 

 今年314日に長崎県内で初めての新型コロナウイルス感染が報告されました。その後4月17日までに17人の感染が確認されています。それから529日まで感染者は確認されていません。よく「検査数が少ないのでは?」と言われますが、521日までの県内の検査数は3,268件と決して少ないわけではありません。緊急事態宣言は全国的に解除されていますが、県外移動は控えるように、注意喚起されています。以前のような緊張はやや緩和されましが、まだまだ油断はできない状況は続いています。北海道や、北九州市においても感染の第2波ではないかと思われる感染者数が認められています。元の生活に戻るにはそれ相応の時間がかかることが予想されます。

 したがって、これからも「密接・密集・密閉」(3密)を避けることが大事です。ただ、歯科医院そのものが3密なので、それぞれにおいての感染対策が必要となってきます。

 「密接」への対策:歯医者の特性上、これは仕方がありません。私たちは患者様の口腔内と少なくとも30センチほど近くまで寄らないと、小さな歯の治療はできません。ですから治療中は口腔外バキュームを使用して、エアロゾルの95%以上を目標に吸引するためにスキルを磨いています。エアロゾルが発生する以上は、感染防止のため顔からマスクを取ることができません。私が患者だったら、どんな顔の人から治療をうけるのか、わからないと不安になります。これまでは歯科治療を行う患者様にたいして、きちんとお顔を見せて、心からの温かい挨拶を行うことを心掛けていましたが、わずかな時間さえも外来診療中にマスクを外すことができないので、これがとても残念です。だから、マスクをしたままでも感じ良く、患者様へ接することは不安を取り除くために、力を入れたいと思います。他にも、患者様には治療直前までマスクを着用していただき、治療前のうがいをして、それから診察を行うようにお願いしております。また、30分おきに、外来診療室と待合室においても、人が手で触れるかもしれないところはすべてアルコール消毒を院内すべてにおいて行っています。

 「密閉」への対策:これは、窓を開放したり、ドアを取り外したりして、空気がとどまらないように細心の注意を払っています。もちろん、口腔外バキュームも治療だけではなく、換気に大きな効果を発揮しますので、常に診療室から「ゴーッ」という音がしていますが、それは換気のためですので、ご理解ください。また、外気を取り入れるよう、3か所のガラス外壁を取り去り、新たに窓の増設を予定しました。さらに待合室の壁紙を、「抗ウイルス」対応のものに貼り換えました。お金はかかりましたが、患者様やスタッフの安全には代えることはできません。

 「密集」への対策:実は、これが大きな私の悩みでした。待ち時間が発生すると、待合室に人が多くなりそこが密集してしまいます。駐車場の車内で待機ということも考えましたが、自分たちができることをまず考えました。せっかく貴重な時間を作って患者様に来ていただくわけですから、待ち時間を減らす小さな努力を積み重ねてきました。それは最近になって、ずいぶんと良くなってきたと思います。しかし、私たちは医療機関という特性上、予約外の急患の方が来院された場合などにも対応をしないといけないのです。急に腫れた、激しい痛みが出た、転んで歯が折れた・・・・そういったことだってあります。すると、いくら予約通りに診療していても、待合室での密集は避けられないのです。そこで、私は決断しました。

 診療日を追加することにしたのです。つまり余裕をもった予約状況にするのです。これまで水曜日が休診日でしたが、6月からは診療を行うことにしました。もちろん、スタッフの過労防止にも配慮し、労働時間をシフト制にしました。お昼休みもそうです。私たち働くスタッフも3密を避けるために、お昼休みは交代でとることにしたので、お昼の時間帯での診療ができる体制になりました。これまでは14時から午後の診療がスタートしていましたが、6月からは13時から診療ができます。当分は予防メンテナンスだけを行いますが、せっかくなので、ぜひ利用していただけたらと思います。いつもと違う静かな雰囲気の中で歯石とりだけではなく、お昼寝する感覚で、くつろいだ時間を過ごしていただけたらと思っています。

 水曜診療を行うためには、それなりの準備とエネルギーがいりました。でもスタッフみんなが協力してくれました。私は今回、新型コロナウイルス感染症対策で、ずいぶん悩みましたが、歯科医院の目的は、本来訪れる患者様のためにあることをもう一度確認することができました。

 私たちの仕事はたった一人でもいいから、この歯医者に来てよかったと思って下さる人を作ることなのです。働く人の笑顔に出会えて、安全で衛生的で、良質な歯科治療を受けることができて、心から「来て良かった」と思ってもらえることなのです。そして、口が健康なことでこんなに「人生は愉しいものなのだ」と知って下さることなのです。

 今回の新型コロナウイルス感染症の対策において、なにが正しいのか、間違っているのか、誰もわかりません。どんなに探しても答えはありません。私はできることを探し、それを一つひとつ、実行することにしています。微々たる力かもしれませんが、これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

歯科医師、スタッフにとって感染リスクが高いとされる 歯科医療現場ですが、日本国内では、これまで歯科治療を通じて 患者さんの感染の報告はありません。私たちも更に感染予防策を徹底し、 地域の皆様の健康を守るために取り組んでいきます。

 


                         

平成2531

患者様各位

理事長 鶴田博文

平素より当院の歯科医療の円滑な運営にご協力いただき、誠にありがとうございます。

この度、令和261日より、待合室の密集を避けるために、水曜日の診療(全日)とお昼休みは13:00~診療開始とすることにしました。

ただ、従業員の休養も必要であるために、勤務時間はシフト制とさせていただきます。そのため、水曜日、木曜日においては使用する治療台(チェア)の稼働数を制限させていただきますので、その旨、ご了承ください。

また、土曜日においては診療の希望が多く、さらに急患の来院も多いため、待合室が混雑する可能性があります。

待合室の密集状態を避けるために、ご都合がつく場合はできる限り平日の予約をお願いする次第です。私たちも、「新しい日常」に向けて、時代に併せ大きく変化しく所存であります。安全で良質な歯科治療を実現するために、皆様のご理解とご協力のほど、よろしくお願い致します。

理事長 鶴田博文