つるちゃんからの手紙1月号(令和3年1月号)
 

「年頭あいさつ」             医療法人 良陽会 理事長 鶴田博文

あけましておめでとうございます。皆様、健やかに新年を迎えられたことと思います。

昨年は新型コロナウイルス感染症の対応に追われた一年でした。特に第1波の時は「マスクが無い」「グローブがない」、「消毒用アルコールが無い」と、現場は混乱しました。この3つのうちの一つでも入手できなくなったら、医院を閉めるつもりでした。でも、スタッフがあらゆるルートを懸命にあたり、それらを何とか手に入れることができ、奇跡的に診療を続けることができました。

また、「歯科治療で新型コロナが感染する?」という懸念による歯科受診を控える人が多くなった時期がありました。しかし、私の医院にはすべての診療台に「口腔外バキューム」を設置しています。(ふつうは口元だけを吸う、小さなバキュームしかついていません)治療の時や予防メンテナンスの時に、口もとで「ゴー」という大きな音がしている、あの装置のおかげで、治療中に発生する口腔内外からの飛沫やエアロゾルのほとんどを強力に吸い取ってくれます。ウイルスの垂直感染を防ぐには最強の設備ですから、当院の診療室内で、感染を引き起こす可能性は極めて低いと言えます。ですから、安心して治療を受けていただきたいと思います。

実際には、「新型コロナが怖いから」と歯科定期検診を控えたことで、歯周病を悪化した人が多く出ました。「コロナ虫歯」と呼ばれるくらい、虫歯の増加を認めました。訪問診療においても感染リスクを減らすために、歯科医師の訪問を控えてほしいとお願いされたことがあります。これは、仕方がないことだと思います。しかし、その後、口腔内の汚染により誤嚥性肺炎が増加したという報告もあります。私たちが行う専門的口腔ケアの継続がどれほど重要であったか、身に染みて知らされた事実です。歯科治療や歯科定期検診は痛くなければ「不要不急」と世間では思われているようですが、たとえ痛みがなくても歯科受診は健康のためには「必要不可欠」であることを、しっかりと私たちが発信していくことが大事だと思いました。

話は変わりますが、今年で当院も開院して18年が経ちました。これまで、自分は患者様のニーズや期待に十分に応えることができたのかと振り返ってみました。最大の問題は、「待ち時間が長い」、「予約がなかなか取りにくい」ということです。もし、自分が患者様の立場であるなら、もっと簡単に予約が取れる歯科医院がいいに決まっています。そこで、今年は思い切って増床を行うことにしました。今のままでも歯科診療を続けていくことは十分可能ですが、感染対策においては万全でありたいと思います。ですから、建物すべてに換気を十分に行えるシステムを構築し、混みあわない快適な空間で歯科診療ができることを実現したいのです。さらに今回の増改築においては、消毒滅菌システムは世界水準に見合った設備を投入します。

それに加えて、若い人材の採用と育成を行っていきます。たとえ、立派な診療施設が完成したとしても、それをオペレーションするのは「人」です。質が高い歯科医療はやはり「人」が中心となります。それを実現するには、理念が必要です。理念は人を動かす力を持っています。「何のためにそれを行うのか」をぶれずに見定めていると、社会で果たすべき役割が必ず生まれてきます。歯科医師になって25年、少しばかり苦労も経験しましたが、この仕事が好きでなりません。少なくともあと10年は元気で働くつもりですが、今回の増改築は私にとって最後の挑戦になると思います。

お正月休みは外に出ることもできず、図面を見てあれやこれやと考えて過ごしました。図面の完成に近づくと共に、そこで活き活きと働く人の姿や、患者様の笑顔が頭に浮かび、胸の中がじんと熱くなってきました。その時、「ここは誰もが幸せになるところにしよう。患者様も働く人も、関わる人は誰もが心から豊かな人生を送ることができる場所にしよう」と誓いました。これからもこの医院が、少しでも人のために貢献できることを切に願っております。皆様の健康とご多幸を祈り、私の「年頭あいさつ」とさせていただきます。

 

※新しい「鶴田歯科医院」は4月末から着工し、リニューアルオープンは8月を予定しています。近隣の方々には工事の騒音などでご迷惑をかけることもあろうかと思いますが、ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

【ご報告】伊藤高紘先生と願能智子先生が、この度入籍されました。お二人とも長崎大学歯学部茶道部の出身で、当院で縁を結ぶことができました。今後ともよろしくお願いいたします。