つるちゃんからの手紙11月号(令和3年11月号)
ある本にこう書かれてあった。働く人には3つのタイプがある。
①言われたこともできない人、お金のためだけに働いている人。遅刻が多く日報もろくに書けない。「疲れた」が口癖。
②言われたことだけやる人、例えばコンビニなどでも「イラッシャマセー」とはいうが、マニュアル以外のことに、全く対応できない。指示には従うが、自分から新しい仕事は覚えようとはしない。
③自ら仕事を楽しむ人、常に人の為という「利他の心」を持っていて、一緒に働く人とお客様に喜んでもらうことに力を入れている。だからいつも明るく、困ったことがあっても自然と周りの人が助けてくれる。
(輝く組織をつくる24のメッセージ 間宮隆彦著)
私は、はじめから「やる気」がない人なんて、いないと思う。誰であれ、職に就くときは心を仕事に置いて全力を尽くすものだ、と理解している。それが職場の環境で良くも悪くもなる。悪くなるのは、リーダーとのコミュニケーションが不足しているのが大きな原因ではないか。
職場での人間関係というのは偶然に成り立つというものではない。関係は築き上げるものだと私は思う。だから、私は毎月スタッフ一人ひとりと面談し、お互いの関係に働きかける時間を持っている。これは開業してからずっと続けてきたことである。
この面談ではこの一か月を振り返り、実際の現場ではどういうことが起きているのか、良かったことはなんだったのか、問題はどんなところにあったのか。それぞれの職種が仕事の上でのストレスが何なのかを考える。
つまり、お互いの気持ちを分かち合うことが大事。何をどう改善すべきなのか、どうすればもっと良くなるかを相手と一緒に考える。
人は誰でも完璧ではない。リーダーだって、指示を誤ることだってあるかもしれない。その時は改めて謝ることにしている。また、部下がミスをする、たとえ備品を壊したとしても、それを許そう。こんなことは、決して翌月まで持ち込んではならない。お互いがとても大切な存在であることを、改めて確認する。
それだけではなく、面談はプライベートのことにも及ぶ。いつもニコニコと輝いて仕事をしている人でも、仕事以外でも深い悩みがあるかもしれない。それは子供の教育や、親の介護のことかもしれない。親が病気で入院しているのであれば早く帰ってもいいじゃないか。子供が言う事を聞かないのであれば、有給休暇を使って子どもと一緒に過ごす時間を取ればいい。仕事は完ぺきかもしれないが、プライベートが不幸であるなら人生は輝けない。「私たちは、公私にかかわらず常に助け合います」これは当院の運営指針である。
職場に月一回の面談があれば、一人ひとりが医院にとってなにができるか、医院がその一人に対して何ができるかを十分に考えることができる。
同業から「診療で忙しいのに、そんな時間がよくあるね。」と言われたことがある。とんでもない。面談なくして、組織を一体化することなど不可能だ。これは私にとっては最優先事項であり、この簡単な習慣こそが、職場内での「やさしさ」や「思いやり」に繋がることだと信じている。