つるちゃんからの手紙1月号(令和4年1月号)
 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

今年で当院も開院して19年を迎えることとなります。この19年から20年の間というのが、大事な節目の年ではないかと思います。20歳というと成人です。とうとうこの医院も成人になるという意識をもって今年も患者様のため、地域のために頑張っていきたいと思います。さて、今日は新しい歳を迎え元旦に私が思ったことをお話ししたいと思います。

今年は、医院の方針として「より明るい対応」を心掛けていきたいと思います。なんといっても歯科医院には明るさが必要だ、そう思って開業したことを覚えています。初めて訪れる歯科医院に、笑顔で行く人はほとんどいないでしょう。放っておいたので叱られるのではないか、と不安でいっぱいの人ばかりではないでしょうか。そこで、先生もスタッフも、なにかこう冷めた雰囲気で、ドヨーンとした空気だとそれはとても良くない。これでは敬遠されてしまいます。結果、痛くなった時しか来院しなくなるので、予防なんてとてもできない歯科医院になってしまいます。歯は恐ろしいスピードでダメージをうけていきます。だから、私は友人に会いに行くような、楽しい気持ちで歯科医院を訪れて欲しいと考えています。誰だって、暗い雰囲気のところより明るく、親切で、活き活きと人が輝いて働いている歯科医院がいいに決まっています。そんな歯科医院がこの地域にあったらいいな、と思って開業したのです。

明るくなるにはどうしたらいいのか。それは自信です。自信がないから暗くなる。仕事においては、「自分でもこんなに役にたつことがあるんだ」「自分でもこんな力があったんだ」という自信を持つことが大事です。自信がないのは、あきらかに準備不足。練習不足、勉強不足。なにも、すべてが完璧である必要はありませんが、得意とすることを徹底的に伸ばせばいいのです。自分にはそんな得意分野は、ありませんと言う人もいるかもしれません。例えば、掃除や片付けなどでも、徹底的に誰よりも早く効率よくできる方法を考えて実践してみたらいいのです。返事もそうです。上司からの返事は「ハイ!」か“yes “か「よろこんで!」の3つしかありません。私は指示をうけたら、この返事を0.2秒で返す練習をしていました。大学の学生寮にいたとき、先輩から徹底的に擦りこまれたのです。勤務医の時はこのおかげで、上司からたくさんの仕事を任されました。自分の返事がいいと、周りも自然といい返事をするようになっていきました。もちろん、今の自分の医院もそうなっています。だから、仕事をしていて、とても指示しやすい。気落ちいい返事が100%返ってくると仕事が楽しくなります。

19年前、開業したときは今の1/3の規模でした。チェアは4台。スタッフも3人での船出でした。ある人からは「そこ、歯医者が多すぎるから、新患は来ないよ」と言われました。開業の案内チラシを近所の人に配ったら、ある団体から「宣伝するな」と、こっぴどく叱られました。でも、どんな場所でも、小さな歯科医院だった頃からずっと、患者様に「本当に良くなってほしい」と心を込めて治療することで、医院は成長してきました。

今年は原点に回帰する所存です。私の仕事は今日一日の中で、たった一人でもよいので、心の中で「ありがとう」と思ってもらえる患者という名の友人をつくることです。生きがいをかけた、この職業に誇りをもって、もっと美しい、もっと立派な、人の生き方がこの仕事の中にあることを知ることなのです。たとえ、ここは地方にあるかもしれませんが、まだ歴史は浅いかもしれませんが、ここが日本の歯科医療の真ん中になれるよう、私は自分を磨き続けていく所存です。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。