つるちゃんからの手紙4月号(令和2年4月号)
 

新型コロナウイルスが世界的に流行していて、「歯医者さんも大変だねえ」とよく言われます。歯科医院は感染との闘いです。これはコロナウイルスが流行する前から実施しています。私たちが相手にしているのは、新型コロナウイルスだけではなく、HIV(エイズ)、ウイルス性肝炎、などを含めると広範囲に感染の危機にさらされています。ですから、すべての患者さんが感染していることを前提に歯科医療を行うという考え方を持っています。

歯科医療従事者は、大学教育や専門学校教育においても院内感染においては多くの教育を受けておりますし、感染防止の講習会、研修会などは歯科医師会では頻回に行われています。これをちゃんと受講しないと、「かかりつけ強化型歯科診療所」の施設基準をクリアすることだってできません。また、当院においてのスタンダードプリコーション(標準予防策)は、患者の口腔内に入れる治療器具すべての滅菌、手指衛生、ゴーグル、マスクの使用、医療用グローブ(患者ごとの使い捨て)治療室内の手が触れるところをすべてアルコール消毒、口腔外吸引装置による飛沫の吸引、換気などが挙げられます。あの、治療するときに「ゴー」と空気が勢いよく流れる音がするのが、口腔外吸引装置です。通常、「バキューム」と呼ばれるものを、口の中で使用しますが、それは、治療時に発生する水滴が飛沫化したもの(エアロゾル)を完全に吸い取ることができません。しかし、この口腔外吸引装置を適切に使用することで、歯科治療時に発生するエアロゾルの94%を吸引できるのです。また、換気にも活用することができ、15分間連続運転することで、57平米もの空間の空気を完全に入れ替えることができるのです。それが当院には8台の診療台それぞれに設置しているのです。ですから、私たちが注意すべきことは、治療中の感染対策もそうですが、待合室に人が密集しないようにすることのほうが大事です。いわゆる「3密」を避けることを意識しないといけません。その対策として、予約の調整が必要です。ですから、次の予約がずいぶん先になることだってあります。また、コンサルテーションにおいては十分に時間を割くことができません。それは残念なことですが、感染対策には必要なことだと私は認識しております。

今回の新型コロナウイルスにおいては、4つほど来院される方にお願いがあります。①歯科治療するとき以外はマスクをしていてください。②院内の換気には力を注いていますので、午前中は医院全体が寒いかもしれません。ですから室内でも厚着をしていただけたら幸いです。③医院に入ったカウンターにアルコール消毒液を準備しています。来院時に1回プッシュして、ジェルを手指によく擦りこんでください。④待合室内での感染防止のため、待合室において、一定の人数を超えたら、駐車場で車中での待機をお願いすることがあります。また、待合室の椅子は一つ飛ばしで間隔をあけての着席をお願いしております。このようなことを「つるちゃんからの手紙」で発信することは大変心苦しいのですが、これからは、地域や社会のすべての人の心をひとつにして、この重大局面を乗り切っていかないといけません。平和で、穏やかな日常を過ごせるように、今は力を合わせてがんばりましょう。

口腔外吸引装置

手指消毒ジェル

クラスB滅菌器

口腔内に入れるものはすべてこのようにパッキングし、滅菌しています。

※従業員は毎日の検温、健康チェック票に記載を行い、異常がないことを確認の上業務を行っております。
また、患者様においては、以下の項目の一つでも当てはまる場合には必ず、お申し出ください。医療従事者・来院患者様の安全確保のため、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

以下に該当される方の歯科治療(緊急の場合を除き)の延期をさせていただきますので、ご了承ください。
1)「37.0℃以上の発熱」や「咳」のある方、
2)現在、同居する人に発熱・咳などの症状がある方、
3)現在、同居する人が自宅隔離を要請されている方、
4)過去 14 日以内に、海外渡航の履歴がある方、
5)過去 14 日以内に、海外から帰国した人との濃厚接触歴がある方、
6)過去 14 日以内に、感染者数が急増している都道府県に出かけたことがある方、
7)過去 14 日以内に、屋内で 50 人以上が集まる集会・イベントに参加したことがある方、
8)味覚異常、嗅覚異常が出現している方
※いかなる場合におきましても、患者様の個人情報は保護されますのでご安心ください。