文責 鶴田博文
今年はこれをやってみて良かったなということがありました。常勤のスタッフも増えてきました。院内にはスタッフルームという休憩室があって、お昼になると、みんなお弁当を一緒に食べます。ほとんどのスタッフがお弁当を持ってきます。「お昼は外に出てランチを」というほどこの近辺にはレストランも多くないし、出前を気軽に頼むところもありません。一人暮らしをしている勤務医の先生、歯科衛生士さんもいますし、家庭を持っている人や子育て中のスタッフもいます。忙しい毎日の中お弁当をつくれずに、お昼休みにカップ麵を食べているスタッフがいると「ちゃんと栄養取れているのかな」と心配になることもあります。
そこで、大きな冷凍庫を一つ買いました。その中に、冷凍食品を買ってきて詰め込みました。
冷凍食品はコロッケなどの「子どものお弁当のおかず」というイメージでしたが、最近はいろんなものがあるのです。「たこ焼き」「ピラフ」「ちゃんぽん」「牛丼の具」「ライスバーガー」「スパゲティ」「肉うどん」「しゅうまい」「担々麺」。華やかな美味しそうなパッケージでスーパーやドラッグストアにこれでもかと沢山の種類のものが陳列してあります。これまであまり冷凍食品は口にしたことがなかったのでチンして食べてみました。すると結構おいしい。ちょっと味は濃く感じますが、若い人たちには好評のようです。当初は同じ味なのですぐに飽きるだろうし、売れ残った商品は我が家の夕食にすればいいかと思っていたのですが、意外と消費するスピードは速いようです。もちろん導入前にはスタッフにアンケートを取って、「利用するかどうか」、「どんな商品がいいのか」、などを事前にヒアリングしていたので、うまく運用できたのだと思います。最近はアイスクリームが好評のようです。また、昼休みに外に出なくていいので、さっさと昼食を済ませて休憩する時間が増えたこともいい事でした。新しい冷凍食品を誰かが食べていると、「それ美味しい?」「一口あげるよ」「わー美味しい!今度それたべよ!」などといいコミュニケーションがとれているようです。昼休みは忙しい診療時間のハーフタイム。少しでも心豊かに過ごして欲しい。ご意見BOXの中にあるカードには「〇〇は美味しかったです。また食べたい」、「夜残ったごはんだけ持ってきたら大丈夫なので便利」、「疲れた時にアイスがあると元気になります」と書いてあり、思い切ってやってみて良かったなあと思いました。もちろん、スタッフ限定特別価格でお安く購入できるのがいいところです。お金は小さな金庫にコインを入れていくようにしました。「そんなことして大丈夫なの?」って言われそうです。これは、10年ほど前にある講演を聴いたことがきっかけです。岐阜県に未来工業という会社があります。その創業者である山田昭男さんが講演でこう言っていました。「うちは社員食堂があって、たくさんのメニューの中から社員は特別安く提供している。最初は食券を使っていたけど紙代がもったいないから、すべて自己申告にした。それぞれ何回食事したか毎月申し出ろと。自己申告分は給与から天引きする仕組みだ。でもチェックなんか俺はしない。でもある時、経理部が調べたらちゃんと提供した食事の数と自己申告の数が合っていたんだよ。日本人はまじめだから、騙すことができない。縛るから不正がおきるんだよ。人間は本当に自由にさせてもらうと、却って不正をしないものなんだ」この言葉が今でも心に残っています。この山田さんはつねに「ここまでしてもらったのだから会社のために頑張ろうと」と社員に思ってもらえるような会社を創ってこられました。その結果800人も抱え、上場するような企業に成長したといいます。私は経営者としてはまだまだ若輩ですが、「働きがい」が生まれる環境つくりに積極的に取り組むつもりです。これが、よりいい医療が提供できるようになればいいと思っています。






