つるちゃんからの手紙 2月号 (平成30年2月号)
突然ですが、私のよくある経験をお話しいたします。
私は年に数回、飛行機や新幹線を利用して遠くの都市や地方へ学会出張をします。もちろん学会なので学びにいくのですが、たまたまその町の下調べもしないで行くと、その日の夕食をどこでたべるか迷い、困り果ててしまうのです。学会というのはその年その年によって開催される都市が変わるので、もしかしたら、もう二度と来ることがないようなところだってあります。せっかく、はるばる来たのだから、その地方にしかない名物料理があって、人情があって、一人で入ってもあたたかく接してくれるような、そんな「小さなお店」に出会いたいのです。ホテルで近隣のガイド地図などがあると、表通りから裏通りまである程度は歩きまわり、そんなお店を探します。「おおー!いい雰囲気が出ているね」という店構えに出会っても、その入り口の前でつい足を止めて、しばらく考え込みます。果たして、この店は一人で入っていいのだろうか?カウンターはあるだろうか?テーブル席に通されると、地元の人の会話なんて聞けないな。一人で食べるのもさみしいな。うーん、どうしよう。そんな迷いがグルグルと頭の中を駆け巡ります。
おなかも空いているし、移動で疲れているから、よけい早く店を決めて入りたい、そう思えば思うほど、気が焦ります。でも、外から見ていてもさっぱり中の雰囲気がわかりません。大体いくらくらいで食事ができるのか。もし、まずかったらどうしよう、口に合わなかったら、お店の人がそっけない態度だったら、などとネガティブな気持ちがどことなく脳裏に浮かんでしまうのです。探せば、きっとガイドブックにも載っていないような、とてもおいしくて居心地のいいお店は絶対にあるはずなのです。とにかく、お店の中の雰囲気や、お店の人の顔が見えないと、そこにはとても入りにくいのです。
でも、情報がない、不安、という理由で、だいたい料金の想像がつく、間違えのないありきたりの居酒屋チェーン店に入ってしまうのです。そのチェーン店は私の住む街にもあるというのに・・・・この気持ちをあなたは理解できるのではないかと思うのです。
私を例にとってもわかるように、たった一回の夕食でさえ、人は失敗したくないのです。
それが、もし就職先ということであれば、
軽い気持ちで面接試験など受ける気持ちにはなりませんよね。
もしかしたら、人生最初で最後の就職になる可能性だってあるわけですから・・・・
だから、歯科衛生士さんになる人に向けて、自分の理想にあう歯科医院の見つけ方を書いてみようと思ったわけです。私の言った方法を使うと、その人にとってピッタリ合う職場も見つかるかもしれません。これからの時代はインターネットも大事かもしれませんが、それを鵜呑みにし、失敗したなどと言う話はよく耳にします。
ですから原始的かもしれませんが、私はこのように自分で書いた思いを発信することにしたのです。そういったわけで、「やりがい」の生まれる職場の探し方 という小冊子を発刊いたしました。これはこれから歯科衛生士を目指す人に向けて書いたものですが、就職を考えている新卒者の人にも役に立てる内容かもしれません。ご興味がある方には無料でお分けいたします。
ところで、今回のニュースレターは100号となりました。毎月私が書いているこのつるちゃんからの手紙も100回書いたことになるのです。思い起こせば、私が開業して勤務医の先生を採用してから、「今日は院長先生はおらんとね?」と患者様から受付のスタッフが質問を受けるようになり、これではいかん、と思い書き始めたニュースレター。毎月、少しでもみなさんに安心感がある歯科医院を創りたい、という思いで書いています。まさか100号まで続くとは思いませんでした。さらに偶然ですが、この100号を出す2月1日で開院してからちょうど15年が経ちました。大過なくここまでくることができたのも、地域の皆様や、一緒に働くスタッフ全員のおかげだと思っています。この場を借りて心からお礼申し上げます。ありがとうございました。これからも鶴田歯科医院をどうぞよろしくお願い申し上げます。