つるちゃんからの手紙 1月号(令和2年1月号)
 

つるちゃんからの手紙 令和2年1月号

 

新年あけましておめでとうございます。

昨年12月11日に2冊目の著書、「続・開業論」を出版しました。

おかげさまで、歯科カテゴリーにおいてはアマゾンランキングで第3位までいくことができました。

前作の「開業論」は若い歯科医師のために書いたものでしたが、意外にも歯科業界以外の人にも多く読まれました。

だから、今度出版した本は誰が読んでもいい内容にしました。

ちなみに私の医院のスタッフも仮名ですが、何人か登場します。

皆さんだったら、多分誰が登場しているか分かると思います。

アマゾンとシエン社、丸善、紀伊国屋書店、そして私の医院で発売しております。

もしよかったら読んでみてください。

 

では、「まえがき」の一部をご紹介しますね。

 

「まえがき」

私は歯医者である。

長崎県の雲仙市というところで歯医者をやっている。

都市部ではなく、どちらかというと地方だ。

自然に囲まれた豊かな土地だ。

普段は毎日、多くの人の歯や口の中の悩みを聴き、その治療をしている。

歯医者になって23年。

開業して、17年が経った。

~中略~

私は歯科診療以外にも、たくさんの仕事をしているが、どんなに疲れていてもスタッフの笑顔に出会えることができると今日も頑張ろうという気持ちになる。

毎日が楽しく、本当に今まで頑張ってきてよかったなあと思っている。

今も、私が目指している歯科医院像がある。

笑顔があふれる、居心地が良い歯科医院を創ることができないか。

それは、来院していただける方にもっと楽しんで来ていただくこと。

その結果、虫歯や歯周病とは無縁の豊かな人生を送ってほしいということ。

定期検診を楽しみにしてくれる人が地域で増えて欲しい。

そうすることで、高齢になっても寝たきりや、出不精を改善できる。

なんでも食べて、気兼ねなく会話を楽しむ、元気な高齢者を増やしたい。

それは患者さんだけではない。

共に働くスタッフにおいても同じ気持ちである。

ここで働くすべてのスタッフがここで働くことができて幸せと感じる瞬間をもっともっと創造していくこと。

いくつになっても元気でこの仕事を愛して、そして続けてほしいと願っている。

しかし、かつての私の考えは違った。

歯医者になって開業できたら、あとは幸せな人生が待っていると信じていた。

医院を開業した時の借り入れを無事、返済できて家族をちゃんと養っていける。

そして、少しばかり裕福になったらマイホームを建て、スポーツカーに乗ることができれば、それが幸せのゴールがやってくると信じていた。

だが、そうはいかなかった。いいこともあれば、悪いことだってあった。

歯科医療に関してうまくいっても、それ以外において、困難に数多く当たった。

そのほとんどは学校で教わったこともないし、誰か先輩が教えてくれたということもない。

なにかひとつ、うまくいくと、そのツケを支払うようにおおきなしっぺ返しが必ずやってきた。後でわかることだが、歯科医院に限らず、誰もが起業したときにはほとんどが経験することばかりで、このことに対する決定的な対策というものはないということだ。

仕事として、事業として成功すればするほど、その成功の度合いと比例して、そのしっぺ返しをくらったときの精神的な痛手は大きい。

『なんで俺がこんな目に合わないといけないんだ!』と憤慨した事も多くあった。

しかし、今になって、それは自分を成長させてくれる天からのギフトと思えるようになった。

~中略~

私は歯医者なので、講演家ではない。

本業がある。

呼ばれるまま、いろんなところへ出かけていたら、肝心の仕事に集中できない。

だから本を書いた。

書くからにはなにも飾らずに、赤裸々に自分の気持ちを描いた。

また、文筆家でもないので、粗削りで読みにくいこと甚だ申し訳ないが、この本があなたのチームのために、そして、一人でもチームや組織の中で悩む人の救いになると幸いである。

2019年 著者

 

~「続・開業論」まえがきより引用~

 

と、書いたのに、今年もいくつかの断り切れない講演の依頼が来ております。

人のため、社会のためになるのであれば、皆さまのご迷惑にならない程度に出かけたいと思っております。

今年も、皆様、それぞれにとって良い一年でありますことを祈っております。