つるちゃんからの手紙 4月号 (平成30年4月号)
新入社員を迎えるにあたって思うこと
もし、子供に「少しでも学歴の高い大学に入りなさい」「少しでも条件のいいところに就職しなさい」と語って勉強させたとしてもよい大人になるとは限らないと思います。
学歴はあっても、コミュニケーションが人とうまく取れない人もいるといいますし、政治や官僚の世界でもエリートがまさかというようなことが頻繁に露呈されるような時代です。
それより、「人生には楽しいことがたくさんあって、
有意義にするには学べるときにはしっかり学びなさい」、
「将来、活躍するときには、今学んでいることが十分に役に立つ日が必ず来るよ」と話をしたほうが、子供が勉強にたいする姿勢や、物事に対する考えはより健全なものになると思うのです。
仕事においても同じです。
「患者様を大切にしなさい」「技術を一生懸命学びなさい」と言うより、「今、医院においでになってくれている患者様で、将来こんな人になりたいと思う人はいますか?」と尋ねてみます。
すると「○○様って、いつもニコニコしていて、必ず会計の時にはありがとうと言ってもらえるのです」、「○○様は物腰が穏やかで、治療の後の説明をしているときは、よく私の話をよく聞いて頂くので嬉しいのです」という答えが返ってきます。
つまり、「素敵」だと思われる人というのは、にこやかであること、そして人の話を聞ける人、相談事にものってくれる人、などを指すのではないでしょうか。
こういった人になりたいのであれば、いろいろな人との出会いを大切にすることや、本を読むことだって必要だし、自分の仕事においては誰にも負けないくらいの知識と経験を積みたいものだよね、とスタッフに話をしてみます。
たとえば、国語を学んで、年上の人にちゃんとした敬語を使う努力をすれば、コミュニケーションもうまくなるし、嫁いだ先の家族からも一目おかれるかもしれません。
計算やパソコンをきちんと学んでいたら棚卸しや、在庫のチェックをするときであっても、しっかりと数字に強くなります。
これも家計をやりくりするとき、子供の教育費を蓄える時にも役に立ちます。
もちろん、納税や相続などにも。
また、態度や規律を仕事で学べば、子どものPTAや自治会、地域の活動だってきっと頼りにされることでしょう。
すると仕事を引退してからでもその地域でのつながりは広がります。
年老いて配偶者に先立たれても、孤独に陥ることもなく、穏やかな気持ちで過ごすことができるかもしれません。
自分の生涯において役に立つことが職場にはたくさんあって、それを自分の手にしないというのはとても惜しいことであることを伝えてあげたほうが、スタッフはより輝いて仕事をしてくれるのではないでしょうか。
たとえ今は若い新入社員でも、結婚、出産、育児、入学、卒業、就職、自分の引退、第2の人生は必ずやってくるのです。
そんな長い人生を楽しく生きるためには、「自分を高める」ということが重要で、若い人がそれに気付き、行動することが、どれだけかけがえのないことであるかを、リーダーは若い人に語ってあげることがとても大切だと私は思っています。
今年も鶴田歯科医院にも新入社員が入ってきます。
彼らの成長がいまから楽しみでなりません。