つるちゃんからの手紙 3月号 (平成30年3月号)
 

中山結先生は長崎大学歯学部を卒業し、卒後診臨床研修を大学病院で修了し、私の医院においでになりました。

「就職を考えていますので、ぜひ一度見学させてください」と申し入れがあったのです。

見学の時はとても緊張されておられましたが、礼儀正しく、一倍やる気に満ちていたことを覚えています。こんな先生に、当院で活躍してほしいと思っていたところ、「ぜひ、そちらで働きたいのですが

採用していただけますか」と返事があり、すごくうれしく思ったことを覚えております。

中山先生の初めての就職が鶴田歯科医院だったわけです。

歯科医師という職業は、緻密で繊細な仕事です。技術のほかにも診断力や多職種とのチームワーク、患者コミュニケーション能力ということが大変重要になってきます。

そのようなことが、歯科医師免許を取得したらすぐに身についているかというと、そうではなく、卒直後から3年目までにどれだけ本気でこの仕事にとりくむかが、その歯科医師の資質や技術レベルを左右すると言っても過言ではありません。

中山先生は、入社してからは、一番朝早く出勤し、スタッフと一緒に清掃や滅菌など手伝ってくれる先生でした。

歯科医師という立場でなかなかここまでやってくれる人は少ないのですが、中山先生は、率先して治療以外のどんな業務でも、手伝ってくれます。

そして、勉強熱心です。若い歯科医向けの臨床教本、「BASIC」という指南書を抄読する早朝勉強会をはじめました。これは全6巻あり、すべて読み切るのに1年近くかかりました。

それだけではなく、忙しい診療がおわったらトレーニング用のマネキンに歯の模型を装着し、練習を重ねていきました。

私も多くの若い歯科医師の先生を知っておりますが、これほど熱心に練習した先生はほとんどおりません。

なぜ、そこまで中山先生は頑張ることができたのか・・・・それは「自分の仕事が好きだから」ではないかと私は思うのです。

本当に好きなことは、頑張るという意識もなく自然に熱中するものであるし、「頑張っています!」などとアピールする必要もないのです。

ただ淡々と、ひとつのことに集中し、仕事を味わい、没頭しています。

だから、いつも心が充足しています。

中山先生がいい表情を絶やさない理由はそこにあるのです。

そのかいもあって、中山先生は入社して3年足らずで、相当クオリティが高い治療ができるように成長しました。

通常の歯科治療に加え、CAD/CAM使用したCERECという数時間で、歯の治療が完了するセラミック歯冠修復なども手掛けています。なかなか、ここまで短期間に技術を習得する歯科医師もおりません。

また、私の医院は非常勤を含めると30人のスタッフやドクターが働いておりますが、みんな中山先生のことが大好きです。そんな中山先生から、結婚するという報告を受けました。早速、お相手の男性を紹介していただきました。すらっと背が高く、笑顔がいい好青年でした。

「さすが、中山先生」と思えるほどの優しい人でした。先日2月24日に、浦上天主堂で挙式、そして長崎市内で披露宴がおこなれました。スタッフみんなで、とても楽しい時間を過ごしました。姓も変わり、中山先生ではなく松永先生になりました。ここで皆様へ報告させていただきます。これからも頑張り屋さんの松永先生をよろしくお願い申し上げます。