「歯の漂白のメカニズムと難症例対応」
加藤純二、部谷 学、鶴田博文、守矢佳世子
歯界展望 2010 VOL. 115 掲載

主訴 歯の色が暗い

上下前歯部ホワイトニング
ホームホワイトニング 3週間
オフィスホワイトニング 4回

右側上顎中切歯
オールセラミッククラウンにて補綴

リスク:ホームホワイトニング時の疼痛 色調変化の遅延

上記症例は、鶴田博文が行ったもので、歯界展望に掲載されました。
掲載において、患者さんへの承諾を得ております。

目次
 

歯のホワイトニング
 

歯の色が暗いのがコンプレックス。
いつも話をするときや笑うときはつい口元に手を当ててしまう。

家族から、「歯の色がきたない。ちゃんと磨いているの?」と言われ鏡をみたら、歯が黒くなってきている。どうして? 虫歯かな?

定期健診で歯石を取ってもらっているのに、歯が年とともに黄色くなってきているのを実感している。しかたがないのかな?

数年前に入れた前歯が変な色になってしまった。笑うと一本だけ変な色。

歯ぐき とかぶせた歯の間が黒くなってきた。
また虫歯? これって歯周病?
このままだと、どうなっちゃうのかな?

初診でお見えになった患者様から、こんな話を聞くことがあります。

実は、これらの悩みには最新の歯科医療技術を駆使することで、そのほとんどが改善することができるのです。

こんにちは

長崎県雲仙市で歯科医院を開業しています
鶴田博文と申します。

突然ですが、
あなたのお口は健康ですか?
歯の健康に自信がありますか?
思いっきり歯を見せて笑顔で笑うことはできますか?

歯は毎日使うものです。
最近ちょっと歯の調子が悪いので、「今日は使わないでおこう」という日はありません。

健康な毎日を過ごすためには、必ず口から食事を楽しむということが大切なことではないでしょうか。

歯に痛みがなく、おいしく何でも食べられるということはとてもすばらしいことです。

しかし、一生涯この状態を維持するというのはとても難しいことなのです。

歯が健康になって、予防歯科を実践し、そしてその先にあるもの・・・

それを皆様にお伝えしたいと思いました。

それが「ホワイトニング」を含めた審美歯科治療なのです。

審美歯科とは読んで字のごとく、お口の美しさを追求した治療のことです。

今日はその「審美歯科治療」についてお話させていただきます。

               

1.私がホワイトニングを始めた理由
 

- 私を変えた、ある出来事 -

                   

私は開業して16年が経ちます。

最近は「歯を白くして欲しい」という願いで来院される方が増えてきています。

他県から車で2時間かけてこられる方、また同業である歯科医師の方もお見えになられます。

ここ最近では、審美歯科治療に関しては、開業してから1200以上の症例を経験させていただきました。

おかげさまで、歯科医学誌に症例を報告したり、セミナーを開いてほしいと依頼を受けたり、メーカーから開発のための助言を求められることもあります。

もちろん、はじめからこうであったわけではありません。

実はあることがおこるまでは、ほとんどといっていいほどホワイトニングを含めた審美歯科治療をしておりませんでした。

そのあることとは・・・・

時は20年前。

まだ私が勤務医として働いていたころにさかのぼります。

私が担当しているある女性の患者様がいました。

30代で、Sさんという方です。
背が高く、目鼻立ちがしっかりしていて知性的な顔をされています。

職業は中学校の英語の先生。
奥歯の詰め物が取れたと来院されました。

Sさんは、初めにお見えになった時、歯科治療がとても怖かったそうなのです。

これまで歯が悪いことは知っているのだけれど、治療がどうしても怖く、なかなか歯医者に行くことができなかったといいます。

「実は今日、痛いのを覚悟してきました」不安な顔をしてSさんは私にこう言いました。

「緊張されているのですね。突然、歯を削ったりしませんので、今日はお口の中の状態を見せてくださいね」とお話したところSさんの表情はすこし和らぎました。

お口の中を診察させていただくと・・・

詰め物が外れたその歯は、その下が虫歯になっていました。
また、歯周病にも罹患されており、病態は進行している部位もありました。

そして、他のかぶせもの(冠)の中にも一部虫歯が発見され、そろそろ新しく作り直さないといけない状況でした。

その日は詰め物が取れたところに痛みが出ないように仮のセメントをつめ、エックス線写真と口腔内カラー写真を撮影し、歯周病の検査をしました。

そして、次の来院時には、主にSさんの病状を詳しく説明しました。

まず、歯周病や虫歯の状態について資料や写真を用いて詳しくお話しました。

そして、痛みが出たりしないように丁寧に治療するので治療期間がかかることを了承していただきました。

そして、歯の状態が良くなってからは、定期健診を受け、歯石を定期的に取ることでいい状態を保つことができることを説明しました。

説明を聞き、Sさんは「ここまで歯のことを真剣に考えたことはありませんでした。がんばっていい状態にしたいと思います」と、おっしゃいました。

その日からは、予約どおりに一生懸命、治療に通ってきていただきました。

歯磨きもこれまで以上に気をつけるようになり、治療中もこちらの指示もしっかりと守っていただきました。

その効果があってか、歯周病も安定し、大きな虫歯の治療もすべて終わるところまできました。

気がつけば1年が経過していました。

いよいよ、治療も最終段階に入りゴールが見えてきたのです。

そして、その日の治療が終わり、かぶせもの(冠)の種類の説明をしようとした矢先でした。

Sさんはまるで意を決したように私にこう言われました。

「これまで治療をしていただいて、こんなことをいうのは気が引けるのですが、私の歯が黄色いのがいやなのです。なんとかして白くする方法はないのですか?」

まったく予想しなかった質問でした。

確かにSさんの歯の色は明らかに黄色みを帯びていました。
歯石をとって着色をきれいに除去したにもかかわらず、やはり黄色みを帯びているのです。

よく話を聴いてみると、これまでずっと気になっておりコンプレックスを持っていたらしいのです。

笑顔になれない、というのが悩みだったと告白されます。

Sさんは以前にも、ほかの歯科医に相談したことがあったのですが、「日本人は歯が黄色いものだ」、「年齢を重ねると少しずつ歯は黄色くなるもの」と言われたそうなのです。

しかし、どうしても諦めきれなかったので、私に相談したとおっしゃるのです。

「できればいつも話しをする外国人のようなきれいな白い歯になりたいのです」

そうでした。
Sさんは英語の先生なので、よく外国の人とも話しをするし、発音するときにも口唇をよく動かさないといけないのです。

私の頭の中は混乱しました。
その不安気な私の顔を見て、
Sさんは、
「やっぱり無理ですよね。すみません。」

なんとかしてあげることはできないのだろうか・・・・

これまで治療を頑張っていただいた、Sさんの希望に応えたい、そう思いました。

と同時に、自分が歯科医としての未熟さを痛感したのでした。

自信がない小さな声で「わかりました、私に少し時間をいただけませんか?」と答えることが精一杯でした。

- 白い歯への挑戦 -

そんなやりとりがあって、私の頭の中は、もう「あれ」しかない!

いまこそ、「あれ」を勉強しないといけない!
「あれ」だよ「あれ!」

「あれ」とは・・・そう、「ホワイトニング」です。

ホワイトニングは歯に薬物を塗布し、歯を削らずに白くするという技術です。

いまでこそ、ホワイトニングという言葉は浸透してきましたが、20年前は、日本の歯科医院では一般的ではありませんでした。

もちろん私の時代では学生時代の授業、臨床実習をした経験もありません。

1999年のデータでは米国では90%の歯科医院がホワイトニングを日常的に取り入れているという結果がでているのに、日本ではまだ、ほんの僅かだったと思います。

早速、ホワイトニング関連の文献や論文を取り寄せて、貪り読みました。
しかし、書いてあることは、原理や理論的なことばかり。
チーっともおもしろくありません。
全然わかりません。

そこで、福岡市内で開催されるホワイトニングのセミナーに出席しました。

メーカーが主催しているもので、しかも受講料が安いというのは正直言って、気が乗りませんでした。

こんなパターンは薄っぺらな情報が多く、すごく高価な医療機器を売りつけられることが多いからです。

しかし、予想は大きく外れました。
「あたり」のセミナーでした。

会場は満席で、参加されている歯科医は女性の方も多く、熱気に包まれていました。

席も前から埋まっていくので、いそいで席をとりました。

その時の講師の先生はとても審美歯科では有名な先生だったのです。

柔和な感じのその講師の先生の講義は難しいところもありましたが、とても分かりやすい実践的な内容でした。

私はSさんを思い出しながら、どうしたらあの歯を白くできるかを考えながら必死でついていきました。

朝早くから夕方まで行われた勉強会でしたが、アッという間に一日が終わりました。

その勉強会に参加したおかげで、多くのホワイトニングに関する知識を得ることができました。

そればかりではなく、ホワイトニングの経験が豊富な先生と知り合うことができ、いろいろな質問をすることができました。

そして、私は日本歯科審美学会という学会に入会し、より専門的な知識を得るようになりました。

- ホワイトニングの方法 -

ホワイトニングは自宅で行うホームホワイトニングと歯科医院で行うオフィスホワイニングの2通りの方法があります。

まず、ホームホワイトニングから始めてみることにしました。

ホームホワイトニングを行うには一定の期間がかかるのですが、とてもいいホワイトニング材に出会うことができました。

ホームホワイトニングは確実に効果がでるものの、歯の色の変化に時間がかかることが難点でした。

そこでより確実な漂白効果をもつオフィスホワイトニングを取り入れようと、いくつかのセミナーを受講しました。

文献や、論文を読むとオフィスホワイトニングは確かに短期間で白くなる術式もあったのですが、ホワイトニング中に痛みがでるケースがあることや、歯の色は白くなるのだけれど、不自然さが残ったりするものもあり、臨床に取り入れるか悩みました。

結局、歯面や歯肉へのダメージや、痛みがでることを考えると、そのときは見送らざるをえませんでした。

- そして白い歯に変化したとき… -

ホワイトニングについて勉強し、漂白の作用を確信した私は、黄色い歯でお悩みだったSさんに、その内容をお話しして、ホームホワイトニングを診断の上、実施してみました。

3週間の予定でしたが、わずか2週間で大きく変化しました。

予定では4段階ほど明るくなるだろうと思われましたが、結果6段階ほど明るくなりました。

Sさんは来院されると興奮した状態で、「先生、歯がとても白くなってきているんです。見てください!」と言って歯を見せてくれるのです。

これまで、Sさんはどちらかというと物静かな性格の方だとばかり思っていたのですが、唇からのぞく、以前は黄色かった前歯が白くなるとともに、性格も明るくなってきた様子です。

いままでは不安そうな表情で治療にきていたのがウソのようです。

歯を見せてニコニコとして治療にこられるようになったのです。

上下の歯のホワイトニングをすべて終わったころには、Sさんの笑顔はキラキラと輝いていました。

ホワイトニングが終了し・・・・
最後に古くなり着色した前歯を除去し、形を整え、歯型をとり、仮歯を装着して10日後・・・・

セラミックという種類の歯が出来上がりました。

仮歯を取り、セラミックの歯をかぶせました。
次の瞬間、色と歯の質感が、ばっちりと決まったのです。

だれがどう見ても、Sさんの前歯が人工的に作られたものとはわからないくらいに完璧に作ることができたのです。

私はそのとき感動を覚えました。
ホワイトニングがこうも美しく口元を変えるとは思っていなかったからです。

そしてSさんにそのセラミックの歯を接着しました。

Sさんは、しばらく治療台の上で手鏡をもち、口元から見える、自分の白い歯に見入ったまま、担当の歯科衛生士とともに涙ぐんでいらっしゃいました。

「先生、ありがとうございました。本当に夢のようです。」

コンプレックスが解消されたのか、Sさんはこれまで見たこともないような最高の笑顔で、こう言っていただけました。

私はそのとき、心の中で「ウオ――ッ!」と声をあげ、ガッツポーズをしていました。

このときまで、歯を美しくすることで、これほどよろこんでいただけるなんて思ってもいなかったのです。

それは、人を心から幸せにできる審美歯科治療に目覚めた・・・その瞬間でした。

同時に、この経験から、ホワイトニングを含めた審美歯科治療にたいする知識と経験をもっと深めていこうと決心したのです。

これが私のホワイトニングを始めた理由です。

その後、Sさんはしっかりと定期健診を欠かさずに受けていただき、歯周病の状態も安定し、そしてたいした虫歯もできず、何年も快適に過ごされております。

2.そしてシステムは完成した。
 

その経験から、私はホワイトニングにおいての自信がつきました。

この人の歯は絶対に白くなると思ったら、その患者さんにホワイトニングの話をしてから、審美歯科治療を行っていくことにしました。

すると、ホワイトニングを希望される方が少しずつ増えてきました。

そして、もっと良くしたいと思い、ホワイトニングの勉強をするために、全国各地へ出かけるようになりました。

知識や経験は時間の経過とともに増えていったのですが、ホームホワイトニングのシステムについての改善したい事も浮き彫りになってきました。

ホームホワイトニングは確かに白く美しくなるのですが、時間がかかること。

トレーを装着することは、患者様の努力に頼るために、それによっては、効果がまちまちであるということ。

黄色い歯ではいい結果をしめすホームホワイトニングもグレー色や茶色に沈着した歯、テトラサイクリンという抗生物質による影響で縞模様になってしまった歯には今ひとつ効果が得られないこと。

そういったことを、課題として取り組むことになってきたのです。

「やはりオフィスホワイトニングも併用したほうがもっといい結果がでるのでは?」と思うようになってきました。

実は、オフィスホワイトニングをそれまで、導入しなかった理由がありました。

  • 施術中に痛みがでることがある
  • ホワイトニング材が歯肉や皮膚に付着してはいけないために歯肉の完全な防護が必要
  • 強力な紫外線、または熱が口唇や歯肉に当てられること


以上の点が私を踏みとどまらせていたのでした。

安全に、そしてもっと早く、しかも自然な感じで歯が白くなるシステムを模索している矢先でした。

安全なオフィスホワイトニング材が登場したというのです。

それは、痛みをほとんど感じず、また歯以外の組織に付着しても安全なものだというのです。

その真偽を確かめるためにすぐにその勉強会に参加し、そこで学術的な論証を得ることができました。

あまりにも、すばらしい内容であったため、同じ内容にもかかわらず、合計4回も受講し、さらに実習でトレーニングを重ねました。

それから臨床の現場に応用していきました。

3.ズバリ公開!
鶴田歯科医院のホワイトニング
 

前述しましたが、ホワイトニングは大きく分けて2つの方法があります。

ホームホワイトニングは自宅で行うものですが、オフィスホワイトニングは歯科医院で行うものです。

私はホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの併用を強くお奨めしております。これがもっとも理想的な白い色へと変化します。

【ホームホワイトニング】

まず歯型をとります。
それにあわせたトレーを製作します。

そしてそこにホワイトニングジェルを適量塗布し、トレーを歯に装着します。

指示された時間、トレーを歯につけます。
その間にホワイトニングが完了します。

毎日、ホワイトニングトレーをとるたびに歯が白くなっていくことを実感できることでしょう。

これを片顎3週間続けます。もちろん上下同時に行うこともできます。

【オフィスホワイトニング】

まず、患者様に来院していただきます。
そしてホームホワイトニングの進行状況について確認し、歯の色を器械で測定します。
必要に応じ写真を撮影します。
治療台を水平位にします。

そして、専用の器具を用いて歯面を徹底的に磨き上げます。
オレンジ色の保護用のグラスをかけていただきます。
アングルワイダーという器具を口唇に装着し、歯の表面が常に見えるようにします。



【歯面にホワイトニング材を塗布します】

一本一本、当たる角度を変えながら特殊な波長がでる光照射器にて歯に光を当てます。



途中、薬剤が乾燥していないか確認しながら、この工程を繰り返します。

一回のオフィスホワイトニングにかかる時間は歯の本数や症例にもよりますが、40分から80分です。

当院で用いているオフィスホワイトニング材はエナメル質(歯の表面の層)にとても優しいものを使用しております。

一般に使用されているオフィスホワイトニング材のその多くが、高濃度の過酸化水素水を主成分としているためにエナメル質表面のカルシウムや燐の結晶が溶け出ることがあるのです。

歯は確かに白くなるのですが、知覚過敏でしみたり、ホワイトニング中やその後に痛くなったりするのですが、当院で使用しているものは、ほとんどそのようなことはありません。


   
当院で使用しているオフィスホワイトニング材を使用したエナメル質:
エナメル質の性状は規則的に整列化されている。



   
高濃度の過酸化水素を用いたエナメル質:
エナメル質内が粗造になっておりダメージが大きいことがわかる。

※写真は加藤純二先生(東京医科歯科大学)のご厚意による

このホワイトニング材は高濃度ではなく、低濃度の過酸化水素水に、ある一定の波長の光を照射することで、光触媒が反応し、漂白作用が強くなるという特殊なホワイトニング材を用いているのです。
これは従来までになかった画期的なホワイトニング材です。

このシステムでのホワイトニング中に痛かった、知覚過敏が出現したという方はいままでのところほとんどありません。
歯を白くするために我慢はしたくないものですね。


【当院のシステムの詳細は“Dental magazine spring 2009”に掲載された】


【当院でのホワイトニングシステム】

このシステムですと3週間から6週間のプログラムで白い歯に生まれ変わることができるのです。

ほとんどのケースはご満足いただけるくらいまで歯が自然な白さに変化しますが、やはり適切な診断はホワイトニングの経験が豊かな歯科医師に委ねられます。

4.審美歯科治療の魅力
~なぜ保険ではなく自由診療?~
 

ホワイトニングが終わってから、前歯や小臼歯にかぶせ物(補綴物といいます)をするときがもっとも患者様が満足する瞬間です。

当院では、歯を作って装着する場合、保険診療でできる治療と自由診療による審美歯科治療を比較し、良く説明してから患者さまに選択していただいております。

それは自由診療で作った歯が保険診療の歯に比べ、すべての点において優れているからです。

自由診療の場合は、保険診療の数倍もの治療費がかかります。

これは暴利をむさぼっているわけではなくて、この治療費でないと採算が合わなくなってしまうからなのです。

なぜ、同じ歯でもこんなに治療費が違ってくるのでしょうか。

一言で言うと「品質」の差です。

では、良質なかぶせ物の歯(補綴物)の条件とはなんでしょうか?

  • 見た目・美しさ
  • 生体親和性
  • 適合の精度が高い
  • 耐久性


この4つが大きな柱となります。
これらすべてを満たしているものが自由診療による審美歯科治療です。

私たちはその材料の性質が、美しく、精度が高く、虫歯、歯周病の再発リスクが少ないことを経験的に良く知っています。

材料の品質だけではないのです。

製作する歯科医師・歯科技工士の技量や経験も大きく左右します。

なぜならどんなに歯科医師がいい歯型をとって、細かい指示をしても歯科技工士の技量が劣るようなら決して素晴らしい歯はできないのです。

審美歯科治療を行う際、歯科医師は数多くの切削用器具を注意深く用います。

当院の場合ですと審美歯科治療に用いる切削用器具の先端のダイヤモンドポイントに関しましてはすべて開封されていない新品のものを使用しております。

新品のものを使用すると、指先の感覚がより敏感になることや、切削する量が少なくなりやすい、より精度を高くできる、短時間で美しい形に形成できる、などの利点があるからです。

また自由診療においての審美歯科治療ができる歯科医師は経験が豊富です。

保険診療を利用して作る歯は経験が少ない歯科医師になったばかりの人が治療しても、ベテランの歯科医師が同じ治療をしても、治療費は同じです。まったく変わりません。

しかし、自由診療は医院ごとに治療費が違う場合が多いのです。

これには使用する材料や、歯科医の経験や実績により治療費に差がでてしまうのです。

つまり、技術力の差です。

歯を形成するときには、特に時間をかけて丁寧に何度も何度も確認しながら慎重に形を整えていきます。

必要に応じてはマイクロスコープという歯科用顕微鏡を用いて支台歯形成を行います。



ただ、そこに歯を作ればいいのではなく、患者さんが「自由診療を選択してよかった」と思えるような形態まで、様々な角度で形態を確認しながら注意深く切削します。

歯を形成し終わったら、精密に歯型をとります。
この歯型取りにおいては当然、方法も材料においても保険診療とは違う精度の高いものを使用します。

歯の色は、白は白でももっとも表現が難しい色をしていますので、両隣りの歯や反対側のかみ合わせている歯の色なども参考にします。

この時にホワイトニングしている歯であればより自然に美しい白さを表現できることになります。

色あわせを繰り返し、もっとも自然な歯の感じになるように、写真を何枚も撮影し、データをもとに技工士に細かい指示を出します。

どうしたら良い色が出せるか。
どこから本物の歯と同じような透明感を表現するか。


【歯の色見本:シェードガイドといいます】

歯肉の形態は?
そしてかみ合わせにどう影響しているか。

口の中と同じような状態で噛めるように咬合器という器械に歯型を付着させます。

模型上で歯を作るときにも、歯科技工士さんは顕微鏡を用いて精密に歯肉との境目を確認していきます。

その手間ヒマのかけ方といったら・・・多くのステップが存在し、すべて手作業によるハンドメイドですので少なくとも14日間は費やします。

またジルコニアと言われる最上級のものになると3週間ほど、その歯の製作に歯科技工士はかかりっきりになります。

その結果、芸術品と呼べるような美しい歯が完成するのです。

もちろん、歯を装着した感覚、舌で触った感じの違和感も少なく仕上がることが特徴です。

噛むという機能、審美性、生体親和性、すべてにおいてすぐれている逸品といえます。


セラミックは歯にふさわしい美しい透明感を表現することができます。

【完成したセラミッククラウン】
患者様に審美歯科治療を行う際、自由診療のご提案をさせていただくということは、これから「歯」や「歯肉」にとって、最良の治療をしたいと考えているからなのです。

本当かな? そんな話、聞いたことがないよ。
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

「歯」はためしにちょっと借りて入れてみる、などということができないものです。

ですから、こればかりは装着してみないと、その品質の高さは実感することはできません。

しかし、心配なさらないでください。

自由診療を行った人のそのほとんどの方が「やってみてよかった」とおっしゃっていただいております。

治療が終わると、担当の歯科衛生士と手をとって喜ぶ方もいらっしゃいます。

長年のコンプレックスが解消され感動される方もおられます。

そのときは、ホワイトニングと審美歯科という技術を持っていて本当によかったと実感する瞬間です。

おわりに
 

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。

歯を健康に保つためには・・・3つのポイントがあります。

  • 毎日、歯磨きを食後にすること
  • 定期的に歯医者さんで歯石をとってもらうこと
  • あなたと気の合うかかりつけの歯医者さんをもつこと


この3つです。

これは前に私が書いた本「歯が痛くなる前に読む本 予防歯科をはじめよう!!」に書かれていたことです。

そして、ここでもうひとつ、追加することがあります。
それは、かぶせ物の歯の治療(補綴治療)をすることになったとき、可能ならば自由診療での治療を選択肢に入れてみることです。

あなたと心が通う歯医者さんなら、きっとあなたにとって最善の治療法を提案されることでしょう。

歯は財産だと思います。歯は神様からいただいたかけがえのない贈り物です。

もっともいいのは自分の歯にかぶせ物(補綴)をする状況にならないことです。

噛み砕いて言えば一番は虫歯・歯周病にならないこと。

つまり、この審美歯科治療は2番目にいい治療方法です。

一番は、まったく虫歯、歯周病のない美しい天然歯なのです。

そのためには予防歯科をはじめましょう。

痛くなってから行く歯医者ではなく傷む前にいく歯医者さん。

そんな歯医者さんに、あなたにとってもっともいい予防歯科プログラムを提案していただきましょう。

冒頭で述べたSさんとの出会いが私のホワイトニングや審美歯科治療への道を開いていただけました。

Sさんには今でも深く感謝しております。

また、私にホワイトニングという素晴らしい技術を惜しげもなくご教示いただきました、東京医科歯科大学 加藤純二先生に心からお礼申し上げます。

そして、私といっしょに日々進歩していくホワイトニングシステムや審美歯科治療に携わる当院のメンバーにも感謝ことばを贈ります。

「ありがとう」

もっと知りたいあなたへ(その1)
 

歯が変色する原因はこれ。
~どうして変色するの?~

審美歯科の魅力について語らせていただきましたが、もっと審美歯科について知りたい方もおられると思いますので、歯の色が変色する原因について説明しましょう。

【軽い変色】
① 歯の表面に付着するもの。
それは赤ワインだったり醤油、コーヒー、茶渋やたばこのヤニだったりします。
これらは毎日丁寧に歯磨きをすればある程度は防げますが、毎回磨けていないところがあれば、そこに色素がこびりついてなかなか歯磨きだけではとることができません。
しかし、歯科医院でその色素をとってもらうことはできますので、どうぞご安心ください。

【中等度の着色】
② 加齢による変色
ホワイトニングで十分回復することができる着色です。
年齢を重ねていくと、歯の内部にある象牙質という組織がだんだんと厚くなり、外から見たときに黄色く見えてくるのです。
また長期的に沈着した色素が加齢により脆くなったエナメル質から内部まで浸透することもあるのです。
また生まれつき遺伝的に歯の色が黄色い人もいらっしゃいます。
加齢や遺伝的に黄色くなった歯をホワイトニングすると非常にいい効果を発揮し、大変喜ばれることが多いのです。

【重度の着色】
③ 内在的な原因
これはホワイトニングをしてもいい色になることが難しいケースです。

ひとつはテトラサイクリンという抗生物質を胎内で、または幼いときに内服したことが原因で永久歯に縞模様(バンド)が出現することがあります。

その時の変色はグレー系や茶色がかった色が多く、歯肉に近い方の歯の色はホワイトニングしても変化がなかったりすることがあります。
しかし、軽い程度のものであればいい色に変化することができます。

【不自然な変色】
神経が既に無い歯
隣の歯やその周囲の歯と比較すると明らかにその一本だけ違う色をしている場合がこのケースです。

数年前、いや、数十年前に歯を強くぶつけたり、虫歯が深かったりして歯の神経を取る治療を受けたあとにそんな変色をおこしてくるのです。
その神経のない歯を私たちは失活歯と呼んでいます。
失活歯はかぶせものをした方がいい場合もあります。

また、硬質レジン前装冠(保険診療)という前歯の冠を装着した場合、変色する確率はとても高くなります。

「変色するのはカンベンしてほしい」
「もう歯の変色で悩むのはゴメンだ」

そんなあなたにはセラミッククラウンの装着をおすすめいたします。

もっと知りたいあなたへ(その2)
 

ホワイトニングの原理
~どうして白くなるの?~

次に、歯が白くなる原理を簡単に説明いたします。この説明を詳しくすると何時間もかかってしまいますので、要点のみお話しいたします。

 ① 過酸化水素が歯に効く
ホワイトニング材に含まれているほとんどの成分が過酸化水素、もしくは過酸化尿素です。
これらを歯面に塗布するとそこから酸素が発生し、その酸素が色素と結び付き、その色素を無色化していきます。



オフィスホワイトニングにおいては特殊な二酸化チタンという触媒を利用し、低濃度の過酸化水素で痛みがなく、歯面や歯肉にも優しいホワイトニングを主流に行っております。

 ② エナメル質そのものの性状を変化させる。 エナメル質の色が無色化していくだけではホワイトニングをしたときのような美しい歯の白さにはなりません。歯を白く見せるにはエナメル質の性状を変えてしまうことが必要となります。

エナメル質は無数のエナメル小柱というもので成り立っています。その柱の角を過酸化水素の発泡作用を利用して整列化することで、外から入ってきた光がエナメル質の中で乱反射し、マスキングという効果を生むのです。
その結果、歯はとても自然な白さになるのです。





【主な論文】
「歯科漂白剤ピレーネの臨床活用の実際」
2009 Dental magazine spring 掲載
「歯の漂白のメカニズムと難症例対応」
加藤純二、部谷 学、鶴田博文、守矢佳世子
歯界展望 2010 VOL. 115 掲載

ホワイトニングは保険適応外(自由診療)です。

(トライアルコース)
ホームホワイトニング 3週間 片顎 32,400円(税込み)

(コンプリート)
ホーム+オフィスホワイトニング 3回 上下顎 
129,600(税込み)

前歯の補綴物の価格
メタルセラミッククラウン 89,640円
オールセラミッククラウン 151,200円
(ジルコニア CAD/CAM)

鶴田歯科医院