私の理想の歯科医院 ~ホスピタリティ~

今、医療を行う私たちにもっとも求められていることは何でしょうか。

私の答えは「ホスピタリティ」にあるのではないかと思うのです。

こういうと、
「病院はホテルやレストランとはちがう。ちゃんと病気を治すのが仕事なんだから」そうおっしゃる方もおられるかもしれません。

しかし、それは本当なのでしょうか

一昔前までは、技術のみがあればそれがベストな医療だ、
そんな風潮がありました。

しかし、私は「技術」と「ホスピタリティ」は両輪であると強く思うのです。

この両者は必要不可欠だと思うし、常により高い次元に昇華していく努力が必要なものと考えています。

「ホスピタリティ」という言葉はラテン語の「ホスピス」が語源です。

病院は英語で「ホスピタル」。
これは、医療が最も人の手による、パーソナルで質の高いサービスであるからだと思うのです。

現在ホスピタリティは日本語にすると「心のこもったおもてなし」という意味になります。

私は開業する前に、いろんな歯科医院に行って学んだことがあります。
笑顔があふれる歯科医院、来院者に愛される歯科医院には必ずと言っていいほど、この「ホスピタリティ」に溢れていました。

ですから自分が開業したときは、こんな歯科医院を作ると理想に歯科医院を具体的にまとめ上げていました。

これは以前、私が「ホスピタリティ」という言葉も知らなかった頃、
自分が思う「理想の歯科医院」を記したものです。

理想の歯科医院

あなたは、大切な人にすすめることができる、「いい歯科医院」を知っていますか。

あなたにとって「いい歯科医院」とはどんな歯科医院なのでしょうか。

歯科医院で大切なもの、それは歯科医療技術です。
それ以上に大切なものは、あなたを理解しようと、しているかどうかではないことでしょうか。

医療は人が行うものです。
自分がしてほしいことを、すすんでその医院のすべての人が、当然のように行うことができる。

そう、すべての人が・・・・・

いい歯科医院・・・・それは、働いている人、すべてが輝いている歯科医院

「29歳女性。会社員の場合」

彼女は以前から口の中が気になって仕方がなかったけれど、ずっと我慢していた。

奥歯には詰め物がとれて、穴があいているところがある。痛くはないのだが食べ物がつまりやすく気になる。

最近は、朝起きたら口の中がねっとりしていて気持ちが悪い。歯磨きすると必ずといっていいほど血が出るので、実は、このことも気がかりであったのである。

しかし、以前から歯医者にかかることは、どうも苦手であり、忙しいことを理由に、なかなか歯科医院へ足が向かなかったのである。

しかし会社の同僚から、「あそこは違うから是非行ってごらん」と、すすめられたのをきっかけに思い切って行ってみることにした。

恐る恐る、電話で予約を入れると、すぐに電話を取ってくれ、明るい声で、気持ちよく応対してくれた。最後にはちゃんと予約を入れた日時と自分の名前をちゃんと名乗ってまでくれた。まるでホテルに宿泊を入れた時のような感じがした。

これまで自分のかかった歯科医院の電話対応とは全く違ったので驚いたが、予想以上にあかるい対応であったため、彼女の憂鬱な気持ちがすこし晴れてきた。

しかし、勇気をもって入れた予約の日が近づいてくると、またさらに不安が彼女を襲ってきた。実はとても歯が悪くなっていて、治療をまた道路工事のようにやられるのかと思うとやはり、また憂鬱になってきたのである。

その予約の日、彼女は不安な気持ちでその医院に到着した。

入り口の自動ドアが開いたら、実に清潔な新しいスリッパがきれいに整然と並んでいる。

誰が履いたかわからない薄汚れたスリッパでは決してない。

そして驚いた。
受付の女の子が「こんにちは。○○様ですね、お待ちしておりました。」と彼女の名前を呼び、元気のよい明るい声で挨拶してくれたのだ。

待合室は広く開放的で、明るく、掛け心地がよいソファーが置いてある。歯科医院独特のあの薬のにおいがまったくしない。

掲示板にはいろんな歯の豆知識や医院の院内新聞が掲げてある。すべて手作りのようで、親近感がある。読むのが楽しい。

診療室の入り口にはどんな歯科医師がいてどんなスタッフがいるのかがわかるような自己紹介プレートが貼ってある。少しずつだけれど、安心感が出てきた。

しばらく待っていると名前を呼ばれた。一瞬「ドキッ」とするも、すぐに診療室に行くわけではなさそうだ。

治療前の問診は、プライバシーが守れる個室(コンサルテーションルーム)で、受付の女性が自己紹介をし、親身になって問診をとってくれた。

そして、驚いたことに、その人は問診だけではなく、彼女のこれまでの治療してきた口の中の歴史や、治療に対する希望や、これまでの口のなかの悩みや、不安を真摯に聞いてくれたのだ。

彼女がこれまで苦手だった歯の治療のこと、どんなときに痛いことがあったのか、不快な思いをしたことがなかったか・・・

そして今後どんな口の状態にしていきたいか・・・・細かに聴いてくれる。

彼女はこれまで、こんなに自分のことを熱心に聴いてもらったことはなかったし、自分の歯について真剣に考えたこともなかった。

そして自分の悩みにすごく共感してもらったことに感動し、自然に涙があふれてきた。

いよいよ診察があるという。

治療室の扉を開けると、それぞれの治療台から明るい声でスタッフの女性の声がはじめて出会うはずの彼女たちに明るい声で「こんにちは!」と元気に明るい声で、挨拶してくれる。

口の中を今日あったばかりの人に見せるのはやっぱり勇気がいるのだけれど、ここの歯科医はマスクをとって私にちゃんと挨拶し、自分の名を名乗り、名刺まで手渡してくれた。

もちろん言葉遣いも丁寧である。

これまでは、歯科医と初めて会うなり「ちょっと見せてください」と、治療台をたおされて口の中をみられ、歯に風をかけられたりはしない様子だ。

そのときの気分といったら・・・まさに「まな板の上の鯉」の状態だったが、どうやらここは全く違う。

歯科医は先ほどのコンサルテーションルームでの問診の内容を詳しく復唱してくれて、彼女のことを十分に理解しようとしている。

そして彼女が話しやすい、楽しい雰囲気を作ってくれる。
リラックスできるように、笑顔でユーモアを交えながらいろんな話をしてくれる。

今日はいきなり歯を削ったり、抜いたりはしないので、まず治療に入る前にお口の中をよく見せてほしいという。

「私は毎日何十本もの虫歯や歯周病にかかった歯を見ています。ですから恥ずかしがらずに、肩の力を抜いて、気を楽にして治療を受けてくださいね」とその歯科医は言うが、やはりいざとなったら緊張する。

いよいよチェアーが倒され、勇気を振り絞って口をあける。

するとその歯科医はリズミカルに歯の状態をアシスタントに伝えていく。いきなり歯を強くたたいたり、強い風をかけたりもせずに丁寧に、歯を一本一本、チェックしているようである。

チェアーが起こされ、うがいをすると「これまで大変だったのですね。つらかったのですね」と優しい言葉をかけてくれる。ここの歯科医は「なぜここまでほっといたのですか?」、ではなかったのだ。

予想どおり、虫歯が他にもあり、歯周病もある程度進んでいるとのこと。
今日は、あなたの今後の治療にたいする「ご提案」をさせていただくために、まず、資料集めをさせてほしいという。

レントゲンをとったり、口の中の写真をとったり、歯グキの検査の内容について詳しくリーフレットを用いて検査の目的や必要性について詳しく話してくれる。

検査中も、歯科医やアシスタントの人たちは、彼女がつらくないか何度も気遣いの言葉をかけてくれる。

検査が終了したら、アシスタントの女の子が、笑顔で「○○様、今日はおつかれさまでした。」とにっこり微笑んでくれる。そして彼女のスケジュールをよく聞いて、無理のない時間に次の予約を入れてくれる。

診療が終わり、受付で会計を済ませると、ちゃんと明細入りの領収証と、保険証も両手で持って大切に手渡してくれる。

おつりも使い古しの千円札ではなく、シワひとつない新券である。

受付の女の子の笑顔がとてもよく、「今日ここに来て本当によかった」と彼女は心の底からそう思う。

帰りにスリッパを脱いで、使用済みのケースに入れ、自分の靴を探したら、いつの間にか履きやすいように、きれいに並べ直してあった。

その瞬間、次の予約がとても待ち遠しくなった。
そして彼女はこう思った。「この人たちとまた会いたい

彼女は歯科医院に対するイメージがこれまでとは、すっかり変わっていた。

あんまり、いい歯科医院だったので、つい知人に紹介したら、早速その翌日、その人からお礼の電話がかかってきた。

そんな「いい歯科医院」。あなたはしりませんか。

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いい歯科医院とは人それぞれ違うかもしれませんが、
このモデルとなっている歯科医院は鶴田歯科医院です。

現在、一緒に働くメンバーすべてに、この文のような「ホスピタリティの意味」について繰り返し語ってきました。

開業して、8年が経ちました。現在は多くの歯科医院の方々が当院にさまざまな目的で見学にいらっしゃいます。その中でもっとも驚かれるのが鶴田歯科医院の「ホスピタリティ」だそうです。見学者の声はコチラから

私はこのホスピタリティには限界がないと思いますし、歯科医療だからこそホスピタリティを重要視するべきだとも思います。

私がホスピタリティの先に望むことは、歯科医院は「常に心地のいいところ」、というイメージを構築していくことなのです。

それによってみんなが健康で豊かな人生を送ることにつながればと思っています。

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