つるちゃんからの手紙5月号 (令和6年5月号)
歯科衛生士という職業があります。歯医者さんで働いている人です。
歯科衛生士になるためには専門学校(または大学の専門科)に入学し、3年から4年の履修期間を経て国家試験を受験し厚生労働大臣の免許を受けないといけません。
歯科衛生士専門学校は県内では長崎市と佐世保市の2つがあります。毎年卒業生がいますが、今や新卒の歯科衛生士さん一人に対し、20~30件の求人があるのです。歯科衛生士はとても魅力ある職業だと私は思っています。でも、なりてが少ないのはなぜでしょうか。それはこの職業がどんなものかがよく知られていないからでだと思うのです。
歯科衛生士の魅力について
- 就職先に困らない ②再就職ができる。
- 休日がしっかりとれる
- 日勤(当院では平均18:20、子育て中は19:30に退勤できる)
- 人の健康の役に立てる⑥生涯にわたって勉強できる ⑦なんといっても国家資格なので強い
⑧同世代に比較し給与が高い ⑨不況などに左右されず安定している
⑩将来が明るい:国民皆歯科健診制度の実施により歯科衛生士の地位が高まる
話は変わりますが、雲仙市は20代の女性の人口が全年齢に比較しとても少ないのです。(20-25歳女性で823人)単に少子化だけではなく、最近は県外就職が多いようです。そこで若い人に魅力ある職業を持って、地元を活性化できないか。県外ではなくこの雲仙市にたくさんの人が働けるような場を創るにはどうしたらいいかと、ずっと考えていました。
そこで、当院独自の奨学金制度を設立しました。なぜ奨学金なのか、それを説明します。歯科衛生士になるには専門学校か大学の歯科衛生士科か口腔保健学科に進学し3~4年間の履修期間があります。その期間は入学金に加え授業料がかかってきます。歯科衛生士専門学校の3年間の学費と実習費などを合算すれば、250万円ほどかかります。これは大体国立大学4年間の授業料に匹敵します。また、私立大学の4年間の学費は470万円ほどが平均といいます。私立大学よりは安いけど、専門学校なのに国立大学と変わらない。学費が比較的高いと思われるかもしれませんが、歯科衛生士科は主に医学を学ぶことと、実践的な技術を習得からです。医学は学ぶことにおいては全てエビデンス(論証)がないといけませんし、知識や技術の習得においては実習が多く、スキルの習得にお金がかかってしまうのは当然のことだと思います。もちろん、昨今の歯科衛生士の月給は年々上昇しています。学費にかかった分は十分ペイできます。せっかく歯科衛生士という職業に興味を持っていただいたのですから、その希望をどうにかして叶えたい。医院をあげてお手伝いをしたい。私はそう思っているのです。
もし、当院の歯科衛生士さんの働く姿を見て興味をもった方がおられましたら、遠慮なく私やスタッフに訊いていただけたらと思います。この奨学金制度の運用を開始しもう10年が経ちました。すでに7人の人が奨学金制度を利用し、当院で活躍しています。現在も2人が学校に通っています。この奨学金制度が地域の医療のため、社会のために役立つことを願っています。